プロジェクトマネージャ試験~合格への道~

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【更新履歴】
2023/1/17:参考書・合格率を更新
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キーワンのプロジェクトマネージャ試験のまとめを報告します。

IPA(情報処理推進機構)の2017年春のプロジェクトマネージャ(PM)試験に合格しましたので、

その時の学習方法を参考にして頂ければと思います。

<合格証書>

1.はじめに

まずはプロジェクトマネージャ試験とは何たるものかを知る必要があると思い、

キーワンはIPAが示唆するプロジェクトマネージャの定義を確認しました。

難しそうに見えますが、ひとまず読んでみましょう。

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1.対象者像

高度IT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資源を確保し、計画した予算、納期、品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営する者

2.役割と業務

情報システム又は組込みシステムのシステム開発プロジェクトの責任者として、当該プロジェクトを計画、実行、管理する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

 (1) 必要に応じて個別システム化構想・計画の策定を支援し、策定された個別システム化構想・計画に基づいて、当該プロジェクトの実行計画をプロジェクト計画として立案する。
 (2) 必要となる要員や資源を確保し、プロジェクト体制を確立する。
 (3) 予算、工程、品質などを管理し、プロジェクトを円滑に運営する。進捗状況を把握し、問題や将来見込まれる課題を早期に把握・認識し、適切な対策・対応を実施することによって、プロジェクトの目標を達成する。
 (4) プロジェクトの上位者及び関係者に、適宜、プロジェクトの実行計画、進捗状況、課題と対応策などを報告し、支援・協力を得て、プロジェクトを円滑に運営する。
 (5) プロジェクトの工程の区切り及び全体の終了時、又は必要に応じて適宜、プロジェクトの計画と実績を分析・評価し、プロジェクトのその後の運営に反映するとともに、ほかのプロジェクトの参考に資する。

3.期待する技術水準

プロジェクトマネージャの業務と役割を円滑に遂行するため、次の知識・実践能力が要求される。

 (1) 組織運営及びシステム全般に関する基本的な事項を理解している。
 (2) 個別システム化構想・計画及びプロジェクトへの期待を正しく認識し、実行可能なプロジェクト計画を立案できる。
 (3) 前提・制約条件の中で、プロジェクトの目標を確実に達成できる。
 (4) 要員・資源・予算・工程・品質などを管理し、プロジェクトの全体意識を統一して、プロジェクトを運営できる。
 (5) プロジェクトの進捗状況や将来見込まれるリスクを早期に把握し、適切に対応できる。
 (6) プロジェクトの計画・実績を適切に分析・評価できる。また、その結果をその後のプロジェクトの運営に活用できるとともに、ほかのプロジェクトの参考に資することができる。

4.試験時間・出題形式・出題数(解答数)

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式 論述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
出題数:25問
解答数:25問
出題数:3問
解答数:2問
出題数:2問
解答数:1問

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これを見るととても難しく感じますが、あまりみなさん気にしないで下さい。

あくまで試験は試験なので、過去問と傾向さえ掴めれば十分合格可能です。

キーワンが受験した理由も「たまには資格とってみたいな~。会社から報奨金もらいたいな~。何だったら転職した時に書ける資格がいいな~」くらいの軽いノリでしたよ~。

ただし、キーワンが少し辛い試験だと思ったのが、試験は足きり形式で行われ、例えば、午前Ⅰに合格しないと午前Ⅱ以降の採点もしてくれないという点です。

<例>

午前Ⅰ:OK

午前Ⅱ:NG

午後Ⅰ:採点されない

午後Ⅱ:採点されない

これが意外とキーワンは苦手です。理由としては、普通は試験に落ちれば、点数を見て次回の参考に繋げたいと思うが、点数が分からないと次回への参考にならない。例えば、午前Ⅰで落ちた場合はモチベーションが下がって翌年にチャレンジする意識もなくなってしまう気がします。

メッセージとしてはみんな「一発合格」を目指しましょう。

落ちた場合に、モチベーションを維持したまま一年後の試験を受けなおすのは辛いので。。。

2.合格率

まずは合格率から見てみましょう。

年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
(受験者比)
合格率
(応募者比)
平成21年春期 16,241人 9,372人 1,187人 12.7% 7.3%
平成22年春期 19,877人 12,463人 1,613人 12.9% 8.1%
平成23年春期 20,459人 12,340人 1,637人 13.3% 8.0%
平成24年春期 19,680人 12,458人 1,628人 13.1% 8.3%
平成25年春期 18,571人 11,850人 1,485人 12.5% 8.0%
平成26年春期 17,584人 10,927人 1,385人 12.7% 7.9%
平成27年春期 17,360人 11,050人 1,485人 13.4% 8.6%
平成28年春期 16,173人 10,263人 1,491人 14.5% 9.2%
平成29年春期 18,291人 11,596人 1,521人 13.1% 8.3%
平成30年春期 18,212人 11,338人 1,496人 13.2% 8.2%
平成31年春期 17,588人 10,909人 1,541人 14.1% 8.8%
令和2年度10月 9,672人 6,276人 948人 15.1% 9.8%
令和3年度秋期 10,184人 6,680人 959人 14.4% 9.4%
令和4年度秋期 11,745人 7,382人 1,042人 14.1% 8.9%

ざっと眺めると13%前後で、非常に難関に見えますが、実態としては以下の理由で合格率ほど難易度は高くないのが個人的な印象です。

【理由】

①試験の途中でやめて帰る人が多い!!

私が受験した時は、試験が進むにつれて参加者が減っていった気がします。特に午後Ⅰ受験を受けた方が午後Ⅱ試験に参加してい人が多かった気がします。心理としては「午後Ⅰでダメなのが分かってるので、午後Ⅱは受けても意味がない。来年再受験しよう」ってな感じです。

②そもそも試験に来る人が少ない!!

これは個人的に思うのですが、当試験は5000円代で受けれる試験で、数万は必要な他のベンダー系資格に比べると非常に安いです。よってベンダー資格は所属企業が受験代を出してくれるが、情報処理技術者試験は自腹な企業が多い(その代わり報奨金あり)ってな感じです。よって、受かっても受からなくても誰にも迷惑が掛からない。だから、とりあえず申し込みをしておこうって感じで申し込みを行い、試験の際はやっぱキャンセルって人が多いと想定されます。

3.学習期間

・約3.5ヵ月

【内訳】

午前Ⅰ、Ⅱ:1ヵ月(電車内や待ち合わせ中に読み込み)

午後Ⅰ:1ヵ月(平日(月~金)で1問、休日に2問)

午後Ⅱ:1ヵ月(休日に2~3時間ほど)

残りの0.5ヵ月は、総復習

4.参考書

使用した参考書は以下の3つです。それ以外は使用していません。

注):最新版のリンクにしております

①情報処理教科書 高度試験午前1・2

午前はこの1冊を中心に学習しました。午前試験は考えることが少なくいので、計算問題以外であれば電車の中でも学習可能です。

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②情報処理教科書 プロジェクトマネージャ

通称「みよ本」と呼ばれている参考書で一番売れているみたいです。私もこれを見て学習しましたが十分に合格可能でした。午後Ⅰ、Ⅱに関してはこの参考書で問題ありません。

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③徹底解説プロジェクトマネージャ本試験問題 (本試験問題シリーズ)
過去問の解説が非常に詳しいです。
*最新版は総仕上げ問題集とタイトルが変更になっています。

<その他-参考書>

★論文対策を十分に行いたい方

④プロジェクトマネージャ合格論文の書き方事例集

当試験区分では使用しなかったですが、他高度試験の際は利用しました。論文に対する苦手意識がある方。ネタが見つからない方にはお勧めです。あとから考えると買っておいた方が良かったです。

5.試験毎の所感

5-1.午前Ⅰ、Ⅱ

ひたすら上記①の書籍を覚えるつもりで学習しました。書籍としてはこの一冊で問題ありません。

補足ですが、プロジェクトマネージャ試験で以外と難関に感じたのが午前Ⅰ!!

理由はコンピュータやネットワークの知識がなかったことが原因とあげられます。

実際の採点でも午前Ⅰの方が点数が低かったです。

あとは以下のサイトを使って、学習をしました。非常に良いですよ。

http://www.pm-siken.com/pmkakomon.php

コツとしては、100点は目指さない!!過去問から全く同じ問題も出てくるので答えを覚えるだけでもよい!!

5-2.午後Ⅰ

これが非常に難関でまずは読むスピードが問われる。キーワンが受験した時も、残り時間がギリギリになった気がします。

理系脳より文系脳を使うっていう印象でした。個人的にも世間の意見でも午後Ⅰが最難関という声が多いです。

まずは書籍で学習したあとに、休日に1問ずつ解いてみるという学習方法をしました。

ここでポイントは過去の解答を眺めるだけでも役に立つという点!!!

要は答えはボンヤリ分かっていても、実際に手書きする際の文章が思いつかないからです。

以下を実施しましょう

①書籍の解説問題は絶対に自分で解いてみる

②IPAの過去問の問題と解答例を眺めてみる(実際に解く必要はありません)

5-3.午後Ⅱ

午後Ⅱに関しては以下の学習方法です。

①参考書の論文をそのまま複写する。(2~3個ほど)

まず、「論文を2000文字以上書きなさい」と言われたらみなさんどうなりますか?

手が止まりませんか?私は字も汚いし、大体こんなことを書いたら何文字くらいという感覚もなかったです。

なので、ひとまずは「書いてみる」これが結構大変だし面白くないが、後に効いてきます。

◆体力がつく(ペンだこが出来るくらい手が痛いです)

◆論文の構成が身についてくる

②テーマを絞って自分なりに書いてみる(2つほどは必要)

次はサンプルを微妙に自分に当てはめながら変更して書いていく。最初は何から書いたらいいかが分かりません。その場合は、参考書の論文の文章を参考にして書いていきます。

結局、5回ほど書きました。

上記を見ると、非常に大変と思いますが実際は論文の規定文字を書きさえすれば、合格出来るという印象です。

6.試験当日

以前、応用情報技術者試験に合格しているのですが、7年前の合格なので、キーワンは午前Ⅰからの受験となりました。

以下に当日の試験毎の所感を記載します。

<午前Ⅰ:結果78.2点>

今回プロジェクトマネージャ試験を受験した理由としても、キーワンはコンピュータの基礎があまりありません。

業務でもパッケージソフトを扱っているせいか、ハードウェアやOS等を意識して作業することがあまりないからです。

そんな中で、2進数やOS等の基礎・最新のコンピュータのトレンドの用語を問われるのはかなりつらかった印象があります。

結果的には過去問を中心に行ったので、合格に達しましたが良い成績ではありませんでした。

当日はいきなり疲れました。(特に計算問題で。。。)

<午前Ⅱ:結果84点>

午前Ⅱはプロジェクトマネージャ試験にある程度特化した選択問題形式なので、難易度的には一番楽でした。

また、過去問がそのまま出題されている問題もあるので、得点的にも余裕がありました。

ささっと問題を解き、午後試験への鋭気をやしないました。

<午後Ⅰ:結果70点>

受験者にとっては最難関と言われている試験で、キーワン的にもとても難しい印象がありました。

まずは開始5分程度で問題を選択することがポイントだと思います。理由としては、問題を読み込み試験時間を解くと時間がギリギリになるからです。途中で問題変更をした場合はまず間に合わないと思って下さい。

結果的には70点取得出来ましたが、振り返ると過去問の答えを見ていたことが活きてきたと思います。

答えはボンヤリ分かっているが、言葉で表現する時に具体的に答えを記述出来ないケースが多いからです。

過去問を実際に解かなくても、答えを見るだけでも試験対策になることを痛感しました。

<午後Ⅱ:結果A>

ここは事前に想定しているプロジェクトを問題に置き換えて、自分なりのアレンジを加えることを意識して論文を記述しました。

これまで論文試験の経験がないため、以下をポイントとして記載しました。

・自分なりの経験を記載する。(相手にこの論文は面白いと思わせる!!)

→私は業務ユーザーとの信頼関係を築くために、システム側と業務ユーザー側で勉強会を記載した。その結果、問題が発生した際に業務ユーザー自らが解決したということを、たくさん伝えました。この内容は合格論文集にもなかったので、採点側は

「こいつは字が汚いし、文章構成はよくないが 現実味がある!!」と思って頂けることを祈って意識しました。

試験の感想としては、

・2時間書き続けるので手が痛い。

・最後の方は殴り書きになっていきます。

・途中で何度もあきらめかけた

結果的に合格だったので、試験対策は成功だったと確信しております。

7.最後に

上記、色々と書きましたが、誰でも十分合格可能な資格であるという点を忘れないでください。

あと昼ご飯を外に食べに行く時間はほぼないので、事前にコンビニでご飯を買っていくことをお勧めします。